2014.05月 加藤かおり 「げんしょう」

2014年5月2日(金)~5月6日(火)
午前10時~午後6時 *午前9時~午後10時迄往来可能です(笑)
会場:とかちプラザ アトリウム

~主な使用素材と作品コンセプト~

多くの作品の大半は紙を使用。
今回の作品のように、幾何学模様がよく見られる。
複雑な折り方になるほど、一枚に込める時間が大きくなる。
自分の手が紙に触れるのも当然多くなる。 
自分の手で何度も素材に触れ、それがそのまま形になっていき、作品になっていく。 
このプロセスは自分の中で大切だと感じている。
じっくり触れて折って作れば作るほど、なんだか自分という人、素質が、紙に写り込んでいくよう。
そして紙は、破れる。
水がかかればすぐによれるし、日がたてば色あせ、燃えるし、ぐしゃっとつぶす事も簡単にできる。
でも一方ではどこか驚くほど強い素質も持っている。
鉄とかプラスタとか、そういう硬くて丈夫な素材より、
なんだかその壊れやすさ、崩れやすさ、変わりやすさ、または扱いづらさといった所は、
現代の不安定な世の中にちょっと似ていると感じるところがある。

また、現代人は美しい自然と、その裏に隠れた危機を見落としすぎているのではないだろうか。
美しく、興味深い外見だけでなく、
なぜそのような現象が起きたのか、隠れた意味も知らなければならない。
何かが極限の状態であるという危機感がある。

作品のインスピレーションは、雪、地熱、オーロラ、間欠泉、波など、
様々な美しい自然現象からうけ、
その模様や表情をインスタレーション(空間芸術)で主に表現している。
しかし、オブジェ一つ一つは、崩れる一歩手前の極限の状態にある形ばかりである。
美しくても危なっかしい。
様々な理由で日々変化する自然界のように、作品も、人の手や、風、日光などで変化してしまう。
そういった移り変わりや極限の状態を基に、作品を通し、
人と自然現象に対する疑問と問いかけを続けている。

P5040035 のコピー

P5010094 のコピー P5020002 のコピー P5010093 のコピー

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本展は
『田園都市のコンテンポラリーアート 緑と風の器 2014』
の一環として展示されました。

●加藤かおり

幕別町忠類出身  1986年- 

2005年 オーストラリア・メルボルンの高校を卒業。
翌年 同国のメルボルン大学 にて、ドローウィング学科を専攻。
2010年に同 大学院で、現代アート・修士課程を修了。
メルボルンでは、
Gertrude Contemporary Art Space や、Sofitel Melbourne on Collins、 Craft Victoriaなど、
様々な現代アートギャラリーにて作品を出展し、
シドニーや、ブリスベーンのギャラリー等でも作品を多数出展。
日本での出展は、2013年のインタラクション―対話,(おびしんふれあいギャラリー・北海道十勝帯広市)、[100*148] ,(Galerie TURM・秋田県)などがあげられる。オーストラリア在住時は、ブリスベーン市議やメルボルン市議から、パブリック・アート制作依頼を受け、公園や、街中の大通りのオブジェ制作など公のプロジェクトも手掛けた。
また、オブジェの作品の他には、ウェアラブル・スカルプチャー(着用可能なオブジェ)も制作し、2011年、12年にはメルボルン新人デザイナーズ・エクスビジョンや、ロレアル・メルボルン・ファッション・フェスティバルなどに、積極的に出展してきた。

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