マボロシの東京散策2002 #02

第2話 12月22日は土曜日

さて、チケットは予約した。タカサカが勝手にだ。かなり勝手であった。
正直、東京でなくても良かったに違いない。

ドコカへユキタイ

瞬間、タカサカは「岡本太郎記念館へ行きたい!」と強く願ったのだ。それは東京にある。
だから、行き先は東京に決定したのだ。決めたのはタカサカだ。

21日金曜日中に予約を確定し、明日お金を払い込む約束をした。

さあ、次の日だ。
タカサカは急激なウツ状態に襲われていた。正確に言えば、名鉄観光に正式予約をした電話の直後にだ。
パワー爆発で伸びたゴムひもがバチンと戻ってきてしまった。そんな『ゆーとぴあ』な感じだ?
その夜の金ドラは「ナンネン恋をしていませんか」?だかどーだかの小泉今日子のドラマの最終回で、まぁ、話はアーダコーダなのだが、終わりの頃になんだか泣けてきた。別に、どんなシーンがあったのかも覚えていないが。完全に情緒不安定であった。恐るべし。

22日は土曜日だ。
23日からイロイロとあってクリスマスの連休に突入する土曜日だ。

タカサカは名鉄観光に赴き、チケットを手にする。
支払いはカードで済ました。
一人51200円である。三人分で153600円であった。

その夜、3人は久々に集合した。いや、実に。
しゃぶしゃぶをいやがる団長をなだめつつ、わいわい亭に向かった。
さぁ、連休だ。混んでいた。当たり前だ。予約はしていなかった。誰かがタカサカを責めた。確かに気がつかなかった。20分待ちだという。3人は待つのがキライだ。店を後にした。

車に乗り込み、別な店を探した。
見つからなかった。20分はトーノムカシに過ぎていた。
待てが良かった、と誰かが言った。そのとーりだと思った。

流れ流れて、魚八、という居酒屋へたどり着いた。
混んでいた。ドコも忘年会等でおおいそがしの風情なのだ。
カウンターに通された。まぁ、座れる。良かった。

いろいろ食べた。
寒スズメを食べた。3匹並んでいた。頭が大きかった。
レバーのような味だった。もう二度と食べることはないと思う。

隣のオヤジは九州からの出稼ぎらしい。あーそうか。
ヤナガワはドジョウじゃないと、と言う。あーそうか。
マスターはゴボウにタマゴでヤナガワだ!コンニャロメって感じで仕事を続けた。

そんなこんなで東京の話はほとんど出来なかった。

結局、タカサカの家でイチから東京観光の計画を話出した。
団長はマンガを読んでいた。

続き
#01