2015.08月【Radios In Motion = 高田K子の放送室】

■高田K子展
Edge of Another World,風の器 KUSA NO KAKIHA⇔border line
【Radios In Motion = 高田K子の放送室】
会期:2015年8/21(金)〜8/31(月)
会場:フローモーションギャラリー(帯広市西5条南13丁目11番地)
時間:午前11時~午後8時(火曜日休み)

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あの日、FLOWMOTION…
あの夏の、花火の夜から10年…
〜記憶の中に存在し続けられるように〜

 はじめて2人(高坂光尚さんと鈴木博幸さん)に出会った日のことを今でも考えることがある。そしてデメーテル(とかち国際現代アート展DEMETER)という大規模な計画がヒキアワセタ様々な奇跡も…。

 今から13年ほど前、道内初開催となる大規模国際現代美術展「デメーテル」が十勝で開催されていた。今回はもう一つ大切な意味があって、帯広で美術家の佐野まさの氏が2005年の8月に亡くなって10年が経過したことだ。この間に北海道ではようやく昨年札幌で道内で2回目となる大規模国際現代美術展が開催した。このような催しは、今も日本各地でたくさんこのような試みられている現実も感慨深い。

 今回は、ここ帯広のフローモーションで8月に私(高田K子)の個展を少しの期間だが開催することになった。素直にこれまでの私に関係してくれたすべて方々、関心を持ってくださったすべての方々に感謝してこの期間に私の思う表現をここで皆さまに鑑賞していただけたら幸いである。私の芸術家(写真作家 アーティスト)としての「今」はすべて「デメーテル」にまつわる出来事により始まったという実感があるし、そして何より佐野まさの氏が今の私を(今も)導いてくれている現実があるからだ。

 昨今、どのような地域の文化の催しでも「一時的なイベントで生まれた大きなエネルギーや文化をどう継続していくか」が課題だと、どのようなイベントを開催してもいつも同じことが囁かれる。私が今、声を大にして言いたいのはその「芸術創造の精神」は誰に言われて引き継がれるというワケではなく、我々のこの「田園都市のコンテンポラリーアート」のような、様々な活動が減少するわけではなく、十勝に今も多数点在してあるという現実を考えてみても、このデメーテルが開催された(2002年)当時から既に経済優先では市民がついていかなくなったという時代の流れの必然の現実だと言えよう。政治や世界情勢でその時々の様々な揺らぎはあれど、こうしてその土地を活気づける「活力」となったデメーテルの試みは、先駆的であればあるほど結果は複雑に絡み合い数値化できない様々な要因となって長期的によい効果をもたらしていたという現実がある。このことは10年超が経過しているという今の時間軸からみて「土地を活気づける「活力」になっている」と断定しても本当にそろそろよい頃だろうと思う。

 2002年10月10日、「デメーテル」が無事終了した翌月のこの日に、ワタシは「フローモーション」という場所にはじめて出会った。何度かのニアミスはあれどあの瞬間がこの2人との出会いだったのではないかと今あらためて思う。その日は総合ディレクターを務めたP3 art and environmentの芹沢高志氏が帯広を離れる最終日で、芹沢氏が「GATE」というチャレンジショップが開かれる日なので案内してほしいとの要請がありクルマで帯広の中心街周辺へ向かってその後、広小路などの数カ所を案内した。そこにいたのがデメーテルのサポートスタッフだった高坂光尚さんと鈴木博幸さんの2人、そしてそのお店がFLOWMOTIONというアートショップだったのだ。この時の出会いからの流れで生まれた「いくつかの事柄」をあの頃は想像すらしなかっただろう。そして今、私は美術家として活動を続けている。

 あの頃(デメーテル展のあの時期)を境に「絵画」や「彫刻」という考えの先にある作品のすべてをアートとして受け入れる素地が完成したと言っていい。今振り返ればそう思う2002年の夏のアートのお祭りを胸に、私はインストラクション(指示)によるアートの試みやインスタレーションを今日まで続けてきた。このような仮設の展示や時期を限定した美術展は会期や会場を越えて「展示し続ける」ということは出来ない。だからこそこの今、目の前にある作品に再び出会えることに本当に感謝して、これからも作品を鑑賞していただいた方々の記憶の中に存在し続けられるようにと淡い期待すら抱いてしまうのだ。これからも夢を見続けようと気持ちを新たにすることが出来た瞬間を与えてくれたこのFLOWMOTION art and environmentと私をささえてくださる皆様に感謝して、また私は明日も何処かへ歩いていくことだろう。

2015年8月17日
高田K子

《プロフィール 》
高田K子、写真作家、北海道帯広市出身。地元の小中高を経て、1995年より函館市に移住。1997年に帯広に帰郷し2001年に「トヨタ・アート・マネジメント講座の受け入れ準備を契機に「アートマネジメント講座」や「美術家とのワークショップ」などの企画運営等の芸術文化活動の支援を開始。
2002年、P3 art and environmentの代表でアートプロデューサー(とかち国際現代アート展※2002年総合ディレクター、横浜トリエンナーレ※2005年キュレーター、別府国際現代美術展※2009年ディレクター)の芹沢高志氏により「CITYPROJECT」に選抜され、北海道で初開催となった大規模国際現代美術展「とかち国際現代アート展デメーテル」に参加アーティストとして抜擢される。2002年のこの展覧会以降は、美術家として北海道の道東地域を拠点に勢力的に活動。現在はそれに継続して、アートに関する市民活動や若手作家の発掘・育成支援を中心に、アートディレクションやアートプロデュース等の仕事にも積極的に取り組む。

 帯広に帰郷後の市民活動としては、トヨタアートマネジメント講座の地域開催を支援し、美術家とのワークショップを企画運営。2002年に美術家の川俣正がとかち国際現代アート展の会場で始めた「デメーテル学校」を継続。2004年には帯広で「田園都市のコンテンポラリーアート」という企画展をディレクション。翌年の2005年に十勝で現代美術を中心に活動していた美術家でアートプロデューサーの佐野まさの氏が企画運営していた「田園都市のコンテンポラリーアート」という展覧会事業を、佐野氏が亡くなる直前に「次に帯広で開催される国際現代美術展の開催まで「田園都市のコンテンポラリーアート」という展覧会事業を継続してほしい」と打診され現在は、地元帯広を拠点とする造形作家の高坂光尚と一緒にこの展覧会事業を継続している。

 2006年より、アサヒビール芸術文化振興財団が助成する全国開催の事業「アサヒ・アート・フェスティバル」を帯広市内の空きビル等を活用した「アートプロジェクト」として2年連続で実施。2008年よりアサヒ・アート・フェスティバル実行委員。

《作品所蔵など Collection》
北海道立釧路芸術館※Permanent Collection

《作品展示など installation》
2002年=とかち国際現代アート展デメーテルCITYPROJECT
(会場:JR帯広駅)

2008年=田園都市のコンテンポラリーアート雪と風の器
(会場:北海道立文学館)

2009年=帯広市民ギャラリーオープニング企画展
(会場:帯広市民ギャラリー※帯広市主催)

2011年=第30回おびひろ市民芸術祭
(会場:帯広市・とかちプラザ[アトリウム]※帯広市主催)

2011年=帯広コンテンポラリーアート2011 真正閣の100日展
(会場:帯広市・真鍋庭園[真正閣])

2012年=美術で見る帯広130年の歴史展
(会場:帯広市民ギャラリー※帯広市主催)

2013年=Edge of Another World 新しい世界, あるいはその果てへ…
(会場:北海道立釧路芸術館 ※北海道立釧路芸術館主催)

2013年=2013年=置戸コンテンポラリーアート2013
(会場:北海道置戸町、置戸町旧秋田小学校)

2014年=文化庁メディア芸術祭 釧路展
(会場:北海道立釧路芸術館 ※文化庁主催)

2014年=Far East Contemporary Art 2014
(会場:北海道北見市留辺蘂町、留辺蘂旧大和小学校、山の水族館、おんねゆ温泉街周辺)

2015年=第34回おびひろ市民芸術祭
田園都市のコンテンポラリーアート 緑と風の器
CONTEMPORARYART OF THE GARDEN CITY 2015
THE LAND OF GREEN OF THE WIND
(会場:帯広市・とかちプラザ[アトリウム]※帯広市主催)

2022.05月 高田K子個展 ENVIRONMENTAL MEMORY
2021.10月 TAKADA KEIKO WITH YOU EVERY WHERE
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2019.11月『北海道図絵 芸術広場三十六景 高田K子展』
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2018.05月 高田K子 Wednesday Moon
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2014.05月 高田K子 Edge of Another World,風の器 KUSA NO KAKIHA…
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2013.05月 高田K子 Edge of Another World
2013.02月 高田K子個展
2012.12月 高田K子『Edge of Another World』
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2010.04月『高田K子  境界線[border line] 』
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2009.05月『高田K子〜北海道図絵•花』
2008.05月 高田K子『北海道彼方此方』
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